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あたしと真弓ちゃんは少し小洒落た喫茶店へ入った。
「あれ、星野と山中(やまなか)じゃん!」
あたし達が入ったと同時にウエイターが声をかけてきた。
「う~ん……。
何処かであったような」
ウエイターの顔を見て真弓ちゃんは首を傾げた。
確かにこの丸顔で背が低く角刈りの眼鏡男は……。
「太~。
何女の子を口説いてるんだ?」
彼の後ろからもう一人男性が現れた。
太……。
思い出した。
細川 太だ!
細いか太いかわからなかったアイツか!
「違う、違う。
太郎、よく見てみろよ。
星野と山中だよ~」
太はあたし達を指差した。
スラリとしてかなりイケメンなこの人は……。
覚えやすい名前の田中 太郎(たなか たろう)だ!
「おお!
マジかよ!
超久しぶりじゃん!」
キラキラの笑顔で太郎はあたし達を見た。
「うはぁ~。
太君と太郎君だったの?
大人っぽくなってて気づかなかったよ~」
真弓ちゃんは驚きのあまり口をあんぐりと開けている。
「ホントよね。
田中君なんかまた背が伸びたんじゃない?」
太郎を見あげてあたしは言う。
「へへん。
5センチ伸びました!」
自分の頭に手をかざし太郎は自慢する。
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