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夕方5時に待ち合わせしていたあたし達は、近くの飲食店に場所を移した。
「んじゃ、再会を祝してジュースでかんぱーい!」
カキーン
あたしの乾杯の音頭と同時にグラスがなった。
あたし達は未成年だから、ジュースで乾杯。
「うまぁ~……」
ジュースを一気のみして太は口を拭った。
「太おじさ~ん」
太を指差し真弓ちゃんはゲラゲラ笑った。
「バイトの後のジュースは格別なんだよ」
勝ち誇ったように太は言う。
「それわかる~」
太の横で太郎は深く頷く。
「わかちあったよ、あの二人」
ぐいぐいと真弓ちゃんはあたしを肘で突いた。
「アハハ!」
堪らなくなってあたしは笑った。
いつ以来だろう。
こうやって四人集まるのは。
四人とも見事にバラバラの高校に行って疎遠になってたからな~。
真弓ちゃんとはちょくちょく会ってたけど。
「あの頃はよく四人でつるんでたよな」
思い出に浸りながら太郎が切り出してきた。
「何をするにも四人一緒でさ」
ジュースを片手に太も話をする。
「なぁ、覚えてるか?
『お化け事件』!」
笑いを堪えながら太郎は話を持ち出した。
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