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「天才と呼ぶがいい」
からかわれてるのに威張る太。
「呼ぶわけないだろ」
間髪入れず太郎がつっこむ。
「アイター」
わざとらしく頭を押さえる太。
漫才してるのかしら……。
「でもさ聖子ったらお化け信じちゃってさ。
あたしらが主犯なのに気づいてないの」
真弓ちゃんはあたしの頭を撫でる。
いや、あの時はあたしホントにお化けが出るって信じてたのよね。
だってお祓いしてるし、尋常じゃないと思ったのよ。
「天然だよな~」
しみじみと太郎が言う。
いや、太郎に言われたくない。
太郎も十分天然だから。
「それは言わない約束ぅ~」
わざとあたしは頬を膨らます。
「約束してないも~ん」
あたしの頬をツンツンと真弓ちゃんが突く。
「意地悪ぅ~」
あたしはわざとそっぽを向く。
そんな様子を見て真弓ちゃんは笑った。
「太郎なんか『お化け出たら聖ちゃんは俺が守るんだ』なんて張り切ってたんだぜ」
太郎をチラチラ見ながら太は言う。
初耳だよ、そんなの。
「何で言うかな~」
笑ってるけど照れている太郎の顔がなんだか可愛い。
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