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「田中君も天然よね」
しみじみと真弓ちゃんは言う。
お化けを信じていたのはあたしだけじゃなかったのか。
何だかホッとした。
「天然同士合うんじゃないか?」
そう言って太は冷やかす。
「そう言う太だってまゆちゃんに夢中だったろ?」
どんでん返し。
余計な事言うから太郎に言い返された。
二人は昔からこんな感じなのよね。
太郎の方が一枚も二枚も上手。
「こんにゃろ~」
太は太郎をくすぐる。
たまらず太郎は笑い転げる。
「あたし達両想いだったんだね~」
じゃれあう二人を見ながらしみじみと真弓ちゃんは言う。
「そうみたいね」
あたしは真弓ちゃんの言葉に相槌を打つ。
「どういう事だ?」
じゃれあう二人はピタッと動きを止めた。
「つまり、俺は聖ちゃんが好き。
聖ちゃんも俺が好き。
まゆちゃんは太が好きで太もまゆちゃんが好きだった。
……という事だろ?」
わかったように太郎が説明する。
太郎、大正解。
あたしは心の中で太郎を褒める。
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