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血染めのワンルームに立ち尽くす私。都合よく(或いは悪く)虐めの首謀者達はその内一人の家で女子会を開いていた。
私はこんなことを望んだのだろうか。
止まず振り下ろされた包丁の先は欠けている。
柄をたたき付けた時に、折れた歯が手の平に刺さっていた。
足は動きを止めたけれど、助かったという気持ちは微塵も湧いてこない。
終わった。
不用意な願い、無意識の言葉がこんなに恐ろしい結果をもたらすのか。
「二度と叶わない願いなんて口にしたくない」
足音が聞こえた。
「私は警察署に向かう」
足音が私と重なったその時、目的地が口をついて出た。
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