アタシその2

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とりあえずバラ園から出て古風な一軒家。我が城‥‥自宅に帰りお茶を一杯ズズズと飲み干す。 フゥと一息つき リビングのテーブルに季節外れの熱い湯呑みを置く。 テーブル越しにアタシの目の前で顔を揃えアタシをジィーと見る弟二匹。 「―――っでまゆはずっと泣いてたのね。」 弟二人の話を聞くと アタシとまゆは入れ替わっていたのだけど 状況が飲み込めなくてひたすら泣いていたみたい。 『帰りたい。帰りたい。』 そうひたすら言いながら。 そりゃそうね。 昔の人からしたらこの時代の当たり前な事は化かされた気にもなるわ。 飛行機、車。 テレビにクーラー。 理解できるわけがないわ。 アタシも混乱したけど 昔を知っているからまゆよりはマシなんだと思う。 昔のまゆからしたら とりあえずアタシの服装がありえないらしくて肌を隠した服装をしていたらしい。 そして最初に目が覚めたバラ園へ向かい なかなか戻らないから弟達が迎えにいくとアタシに入れ替わっていたらしい。
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