序章―目覚メ―

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とりあえずカプセルを見て回る事にした。 ツインテールや幼女など、皆独特な特徴を持っている。 「ん。」 俺が立ち止まったのは長いポニーテールの少女が入ったカプセルの前。 「この娘…」 「お気に召しましたか?」 いつの間にか帰ってきた研究員Bが言った。 「あ、はい。」 「先程の者の追記ですが、ラボラトリーアニマルにはそれぞれ『固有スキル』なるものが存在します。勿論選んでからのお楽しみですがね。」 研究員Bが皮肉めいた笑みを浮かべながら言った。 「この娘にします。」 「了解。選んだからにはしっかり面倒見てやれよ少年。」 顔面痣だらけの研究員Aがカプセルの前のキーボードを弄りはじめる。 「うし、出来た。」 低い機会音を響かせながらカプセルの蓋が開き始める。 外に出てきた少女が両目を開く。 「喜べ少女。彼が新しい君の家族だ。」 「家族……?」 少女がぼんやりとした目で俺を見つめてくる。 「私は……誰?」 「面倒だったから省いたけど、この娘に名前を付けてやってくれ。」 「な、名前?」 突然そんな事を言われても…… 「何でもいいぞ。例えば、ここに来る途中に流れていた音楽とか。」 音楽…か。 そういえば何か音楽が流れていた。 あれは確か…… 「決まりました。」 「ほほぅ。では彼女の名を。」 俺は小さく息を吸い、こう言った。 「よろしく、『アイネ』。」
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