11章

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頭を下げる宮田に続き、それまで黙って見ていた周りも次々頭を下げると、裏庭から去っていった。 「…優奈っ!」 「キャッ!ま、真由美?」 みんなの後ろ姿を見ていた優奈に、いきなり抱きついてきた真由美は何故か大泣きしている。 そんな2人を優しく見つめ、碧は隠れて見ている友達達を呼ぶ。 現れた3人は、近くで見た碧の肌にある傷に顔をしかめる。 「お前…虐待って」 「ん?全部聞こえてただろ?虐待されてたよ。」 言葉をつまらせる清水に、碧はあっけらかんと答える。 「俺達に聞いてほしい事って…これか?」 「橋本くん…そうだよ。 みんな、僕の友達だからちゃんと話しておきたいって思ったんだ。」 虐待されてた事。 施設に連れて行かれ、傷ついた心を優奈に癒してもらい好きになった事。
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