11章

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「邪魔しないでほしいんだけど。 あっそうだ…上田さん、ちょっと来てくれる?」 「ん~?どしたの?」 走ってきた真由美に、素早く耳打ちすると碧はいたずらっ子のように笑った。 「えっ?ホントに?」 一方、耳打ちされた真由美は顔を赤らめ橋本を見つめる。 「ねぇ、私の事気になってるって錦織くんが言ってたんだけど…ホント?」 「えっ!?」 「あっ!それ俺達も聞いた事ある。確かに、橋本は上田さんの事見てるだけで、元気になるとか言ってたよな?」 村井に暴露され、橋本は焦って何か言おうとするが、はやしたてる周りに、何を言っても無駄だと気付くと、走ってその場から逃げ出した。 「待ってよ~橋本くん! あっ!優奈は先帰っていいからね~」 逃げる橋本を追いかけて、みんないなくなると急に辺りが静寂に包まれた。
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