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「…帰ろっか?」
裏庭に置き去りにされた碧は、手を差し伸べるとギュッと握り返してくる優奈の手を取り歩きだす。
「気使わせちゃったみたいだね?」
少し恥ずかしそうに言う優奈に頷くと、碧はすでに日が傾きかけオレンジ色に染まった空を見上げる。
「僕の気持ちわかったのかな?…優奈と2人っきりになりたいって思ってたんだ。」
屈託ない笑顔で話す碧に傷ついた少年の面影はない。
「私ね、今日碧くんが来てくれて凄く嬉しかった。
あんなにバレたくないって思ってたのに。」
「僕は何もしてないよ。全部、優奈が解決したからちょっとカッコ悪かった。」
「碧くんがいてくれたから…ちょっと怖かったけど、言いたい事全部言えたんだよ?
…でも、もうあんな事しないでね?」
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