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「ねぇあれ、宮地くん兄弟!
二人共かっこいいよねー。」
「あ、本当だ。
吉村さん良いなぁ。」
「幼なじみとか最強のポジションだよね。変わって欲しい!」
女子の会話が耳に入る。
そうだよ。
二人はかっこいいんだよ。
そんなの、私が一番知ってる。
誰よりも傍に居て見てきたんだもん、知ってるよ。
だから、この場所は譲れない。
「どうした?香歩。」
由輝が顔を覗き込んでくる。
女子生徒の声は聞こえていなかったのか、二人は不思議そうな顔で香歩を見ていた。
「あ、ボーッとしてた。」
香歩の言葉にハハッと笑う由輝と呆れた表情の直人。
心が温かかった。
彼らが大好きだった。
その帰り道。
三人は、“あの子”と出会った。
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