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分かってたの。 私が“この子”を捨てることなんて出来る訳がないんだ。 “あの人”が私に残してくれたのは、優しい記憶と“この子”だけなのだから。 今となっては辛いだけの… 少女は黙って地面を見つめた。 彼は彼女に歩み寄ると、彼女に傘を差し出す。 「帰るぞ。」 「……うん。」 不器用な彼。 “あの人”とは違う優しさ、なのに同じように温かくて。 泣きそうになる。
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