5人が本棚に入れています
本棚に追加
由輝も直人も凄く整った顔をしていた。そんな二人はよくモテた。
彼らに告白してくる者はもちろん少ないはずもなく、よく女子に呼び出しを受けていた。
それなのに、彼らはいつも断ってしまっていた。
理由を聞くと「お前を放っておけないだろ。」と二人でいつも口を揃えて言う。
そんなの良いのに、と思いながらも香歩は嬉しく感じていた。
だから、女子たちの妬みの行き先は当たり前に香歩に向かうが、その度に彼らが助けてくれた。
それがまた嬉しくて、香歩は三人で居る時間が大好きだった。
「お前も。いつまでもそうやって笑ってんなよな。」
二人を見て笑っていた香歩の頭を直人がクシャッと撫でる。
「だって面白かったよな?」
「うん!」
由輝の言葉に香歩が頷くと、直人は歩くスピードを上げた。
今度こそ置いてかれると香歩は焦り、由輝は笑ったまま、また駆け足で彼を追った。
最初のコメントを投稿しよう!