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 幸せだった。 強く地面を打ちつける雨で力がなくなっていく もう立つ力もない  これでいいんだと思う あの人の笑顔を想って 少し笑った 最期に笑顔を願える相手が 一生のうちに 見つかっただけで 幸せだったんだよ 「………!」 愛した人の声が 聞こえた気がした。  泣いてる?  …そんな訳ない  今頃は  あいつと一緒に遠くにいったはず 目をあけようとしたが 思うようにならない 打ち付ける雨さえも 心地好くなったとき 白い光に包まれ なにも見えなくなった。
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