第ニ章

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書類の三分の一くらいに目を通したところで、時刻を確認してみると、時刻は八時半より少し前だった。 気がつくと、殆どの職員が出勤してきて、自分のデスクについていた。 僕は彼らが出勤してきたことにすら気がつかなかった。 何故なのかはわからない。 僕がよほど書類に集中していたのか、あるいは、彼らが気づかれることも無いようにひっそりとやってきたのか、あるいはその両方なのか。 だけど、気づけば彼らはそこにいて、仕事の準備を始めていた。 そして、八時半になると同時に、営業所の中にチャイムの音が鳴り響いた。
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