第八章

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僕たちはタバコを吸い終えると、冷蔵庫の中から新しいビールを一本取り出して、二人で分け合って飲んだ。 僕が一口飲んで、杏が一口飲む。 それをビールが無くなるまで繰り返した。 ビールが無くなると、僕たちはベッドに並んで横になった。 「試験の結果はどうだったの?」 僕は杏の話を続けさせるべく、質問をした。 「結果は二百五十人中百五十番。もう、びっくりするしかなかったわ。私の高校って、廊下の掲示板に学年全員の成績が貼り出されるのよ。成績順に名前と点数がね。あなたの学校はどうだった?」 「僕の学校は上位五十人だけが貼り出されていたよ。それだけ貼り出せば十分だからね」 「そうね。そうかもしれない。だけど、私の学校は学年全員の成績を貼り出していたのよ。だけど、それは大した問題じゃないのよ。問題なのは私の成績よ。私は中学生の頃まで学年で常に一番だったわ。そして、それが私の唯一の支えだと言ってもおかしくはなかったのよ。だって、今まで話したとおり、私には友達もいなければ、勉強以外にできることなんて何も無かったんだから。それにも関わらず、私の成績は学年の半分以下だったの」 「だけど、県内でトップクラスの進学校だったんだろう? そんな学校に入れるだけでもすごいじゃないか」 「そうね、私に友達がいて、勉強以外にできることがあったのならば、それで十分だったのかもしれない」 僕は黙っていた。 杏にかけるべき言葉は何も無かった。 僕が黙っていると、杏は再び話を始めた。
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