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僕は心のどこかで、幹部候補だということに安心していたのかもしれない。
だから、幹部候補から外されたという事実について、頭ではわかっていても、どこか釈然としない感覚があった。
それは、僕のプライドとか、そういったものがそんな風に感じさせているのかもしれない。
仕事が出来ないという事実を自分自身が感じていたとしても、それに伴う人事を素直に受け入れることが出来ていない自分が、確実にここにいる。
僕はまた、いままでとは別の苦しみに身を沈めなければならないのかも知れない。
だけど、僕はこれ以上の苦しみに耐えることができる自信は無かった。
だから、それ以上、何も考えることはしないことにした。
それは、僕にたった一つ出来る、自己防衛だった。
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