第ニ章

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電車は海辺を走っていた。 海面には薄く白い霧が立ち込めていて、遠くまで見通すことは出来ない。 霧の中ににうっすらと島影が映っていた。 それほど大きな島ではない。 だけど、僕はその島の姿をはっきりと確認することは出来ない。 あくまでも、霧の向こう側だ。 その島が本当はどんな形をしているのか、どれくらいの大きさなのか、正確にはわからなかった。 まるで、今の僕の置かれている状況のようだと思った。
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