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僕は再び本に視線を落とした。
つまらない恋愛小説だ。
文章も構成も稚拙だ。
どうしてこんな本を買ったのか、はっきりとは思い出すことは出来ない。
もともと僕は本を読むのが好きだけれど、何でも読むということはない。
特に、恋愛小説に関していえば、殆ど読むことは無い。
だから、多分、何かの理由があって、この本を買ったのだろうと思う。
誰かに薦められたたのか、あるいは何かで話題になったのか、それは思い出せなかった。
その理由もいつか思い出すかもしれない。
あるいは、一生かかっても思い出せないかもしれない。
だけど、どちらにしても、僕がこの本を買った理由なんて、今となってはどうでもいいことだ。
今の僕には、この本を読むこと以外にすることなんてたいして無いのだ。
せいぜい、窓の外の景色を眺めるか、あるいは、眠ってしまうことくらいだ。
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