第ニ章

12/21
前へ
/217ページ
次へ
駅の前に、人の姿は疎らだった。 それほど人のいる町でもない。 電車だって、そんなに本数があるわけではない。 電車の出発時刻の前後を除けば、ほとんど駅前に人はいないのだろう。 駅からまっすぐ南に向かって、少し大きな通りが走っている。 その両側にいくらかのオフィスビルが並んでいる。 僕がこれから向かう営業所もそのオフィスビルの一つの中にある。 僕は、予め用意しておいた地図を片手に、営業所を目指した。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

340人が本棚に入れています
本棚に追加