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時刻は七時半を少し回ったところだったけれど、営業所の中に人の姿は殆ど無かった。
カウンターに女性が一人と、奥の方に二人の男性の姿が見えた。
カウンターの女性は、おそらく二十代前半くらいで、長く伸ばした髪を明るめの茶色に染めていた。
容姿は目立った特徴もなく、美人でもなければ、不細工でもなかった。
奥の方の一人は、小太りで頭の禿げ上った五十代くらいの男で、もう一人は中肉中背の三十代くらいの男だった。
二人とも、ティーカップを片手に持ち、新聞を読んでいた。
ずいぶんのんびりとしている様子だった。
本社にいた頃の、得体の知れない殺伐とした雰囲気の欠片も、この営業所にはなかった。
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