第ニ章

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時間はゆっくりと過ぎていった。 昨日までとは、まるで時間の進み方が違う。 昨日までは、気がつけば昼を過ぎ、気がつけば終業時間がやってきて、長い残業を終えて会社を出ると、外は真っ暗だった。 だけど、ここでは一時間が三時間であるかのように感じられる。 そして、僕が仕事を巧くこなすことが出来ないことについて怒鳴る上司も、その姿を見てこっそりと笑う同僚もいない。 代わりに、誰も僕に興味を持っていない。 上司も、おそらく僕に興味を持っていない。 多分、今までどおりにやっていても、誰からも責められることは無いだろう。 それは僕にとって幸運なことなのかどうなのか、今の僕にはわからなかった。 少なくとも、昨日までよりもずっと、孤独であることについては間違いのない事実だ。
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