340人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
第九章
僕は再び夢を見た。
夢の中で、僕はユカリと二人きりで、夜の海にいた。
僕は半袖の黄色いシャツを着て、ジーンズを穿いている。
ユカリはリボンのついた麦わら帽子をかぶり、淡い緑のチェック柄の、ノースリーブのワンピースを着ていた。
浜辺には僕たち以外には誰も居ない。
波が小さな音を立てながら僕たちの方に寄ってきて、そして戻っていく。
空には満月に近い月が浮かんでいて、穏やかな海面にそれが映って、ゆらゆらと揺れていた。
最初のコメントを投稿しよう!