第四章

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第四章

店を出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。 いつの間にか、殆どの店に明かりが灯り、看板にも明かりが灯っていた。 時刻は午後七時を少し回ったところだ。 僕は鞄の中から時刻表を取り出して、自分の乗る電車の時間を確認した。 次の電車は、今から十分後に出発する便だった。 だけど、その電車に乗ると、僕は自宅に帰るまでに、二回の乗り継ぎをしなければならないことも同時にわかった。 できることならば、乗り換えはしたくない。 一度も乗り継ぎをしなくても帰宅できる電車もあるのだ。 僕は、もう一度時刻表に目を落とし、別の電車を探す。 すると、一時間三十分後の電車であれば、乗り継ぎをしなくても、帰宅できることがわかった。 ここから駅までは三分もあれば着く。 改札を抜けて、ホームまで行く時間を考えても、五分あれば十分すぎるくらいだ。 つまり、その電車で帰宅するならば、僕にはまだ一時間以上の時間が与えられていることになる。 僕は少し悩んだ。 だけど、その電車に乗って帰宅したとしても、昨日までよりも早く帰宅することになるのだ。
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