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「なになに? なんの話してんの?」
ぼくと手嶋の間に闖入者が来た。
「ちょっと。なんなのさー。釜石は勝手に話に入ってこないでよ」
ぼくがこの集団下校をしたくない理由。その嫌悪の根源、悪の親玉といっていいモノに君臨するのがこいつ、釜石である。
「あそこの病院に行きたいんだろ?」
「ちゃっかり聞いてるじゃないかー。行きたいなんて言ってないよ」
「今度またみんなで行こうって行ってるんだけどどう?」
「君たちは行きすぎなんだよ。そんなんじゃでるもんもでないでしょ」
「でる? なにが?」手嶋がぼくを叩き、みなまで言わせるんじゃないよと訴えかけた目で見てくる。
「もうみんなそれは諦めてるよ。度胸試しみたいなもんじゃないか」
「私はこれでも一応女の子っていうステータスがあるからね。やめておくよ」
「んじゃあ、宮間が来るってことでどうだ?」
「どうしてそうなるのさー」
「じゃあ、今日の夜みんな召集するから八時にここで。じゃあな」
「私が女の子なこと考慮されてないよー」
結局、ぼくには賛成権すら与えられなかった。
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