桜桜

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見かけによらず優しい… 私は人は見た目ではないと思った。 と同時に、この人もいつか自分を裏切るのではないかと不安になってきた。 かつての、母のように… 私は無意識のうちに隼人の手を握る強さを強くしていた。 「大丈夫。どこにも置いていったりしねぇよ。」 …エスパーか? なんか、急に隼人が超能力者に思えてきた。 (この人はいったい何処へ行きたいのだろう) 迷路みたいな校舎を歩いていくと、中庭で急に隼人が立ち止まった。 「綺麗…」 私の視線の先には、満開の桜の花。 私が見入っていると、 「なっ綺麗だろ?うちの学校の穴場スポット」 と自慢気にいい、にこりと人懐っこい笑顔を見せた。 こんな顔して笑うんだ… 人に笑顔を向けられたの、久しぶりだよ… 「蘭だっけ…」 「はい。」 「付き合ってくれない」 「はい?」 頭はパンク寸前だった
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