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その翌日だった。
基地の食堂に昼食を食べに行った時、友人のレイカに声を掛けられた。
「フィオ、ちょっと大変よ、あれ見てあれ」
綺麗な銀髪を靡かせて駆け寄ってきたレイカは何かに焦っているようだ。
私に食堂のモニターを見るように指を指して言った。
モニターに映っていたのは日系人の政治家の男性、スーツを着用してはいるものの、眼光鋭く、とても極東の平和な島国の政治家には見えない。
その男性が壇上で静かに、それでいて厳かに言い放った。
『私達は、そろそろ大国の支配から解放されようと思う。数百年前、我々は確かに負けた。だが今度は違う、あの頃と今とでは全てが違う。我々はこれよりアメリカ合衆国から、いや、全世界の体制と言うものから独立する事をここに宣言し、宣戦を布告する。小国と侮るなかれ、我々は本気だ』
モニターが同じ映像を繰返しながしている。
と、不意に基地に警報が鳴り響く。
この日、極東の島国、日本が世界に牙を剥いた。
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