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栄太郎があまり寝ていないと気付き、申し訳無くなった。しかし謝ったところで栄太郎はしれっと何でもない顔をするに違いない。 とにかく長旅前の今日は何が何でも寝てもらわねば……と頭を働かせる。 寝てくださいと言っても、きっと栄太郎は素直には従ってくれないだろう。なにせ彼は‘あまのじゃく’なのだから……。どうにか上手いことそういう話に持っていけないだろうか? 今日は色々と頭を使う日だなぁと思う。しかしそのどれも答えに辿り着けない自分につい苦笑いを零してしまう。 「何一人で笑ってんの?」 完全に栄太郎をほったらかして自分の世界に篭っていた私に怪訝そうな表情を浮かべた栄太郎が尋ねた。 栄太郎に嘘は通用しないと知りつつも、つい笑顔を作り「何でもありません」と首を振り誤魔化す。
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