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島田と共に初めて島原に足を踏み入れる。昼間の島原はそれ程賑わっておらず、人が疎(まば)らだった。 「ここです」と島田が一軒の店の前に立つ。 椿屋と書かれた看板に緊張が走る。周りの店に比べると、派手さが無く、店構えも少し小さく感じる。 こういう所の方が長州には都合が良いのかな? 「入りますよ。大丈夫ですか?」 声を抑えた島田の言葉に、静かに頷きを返す。 店に入り、島田が掃除をしていた人を捕まえ事情を話し、女将に取り次いでもらった。
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