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今は客間の様な部屋に通され、女将を待つ。
「りん、設定を忘れないでくださいね」と囁き声で念を押される。
スッと襖が開き、一人の中年の女が入ってくる。
島田にならい、頭を下げる。
若干釣り目で痩せているからか、キツイ印象を受ける。この人が女将だろう。
「この子どすか?」という女将の言葉に頭を上げる。
「はい。暫くの間預かってもらえないでしょうか?」
島田の言葉を合図に、品定めするような目を向けられる。
居心地の悪い視線に耐えていると、女将が口を開く。
「顔は悪くないね。あんさん名と年は?」
「りんと申します。十八になります」
「声もええけど、十八やって? 色気はちょい足りへんな」
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