3/94
750人が本棚に入れています
本棚に追加
/243ページ
今は客間の様な部屋に通され、女将を待つ。 「りん、設定を忘れないでくださいね」と囁き声で念を押される。 スッと襖が開き、一人の中年の女が入ってくる。 島田にならい、頭を下げる。 若干釣り目で痩せているからか、キツイ印象を受ける。この人が女将だろう。 「この子どすか?」という女将の言葉に頭を上げる。 「はい。暫くの間預かってもらえないでしょうか?」 島田の言葉を合図に、品定めするような目を向けられる。 居心地の悪い視線に耐えていると、女将が口を開く。 「顔は悪くないね。あんさん名と年は?」 「りんと申します。十八になります」 「声もええけど、十八やって? 色気はちょい足りへんな」
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!