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「気にすんな」
新八はニッと笑うと、今度は平助を見る。
「平助、そんなに怒んなよ。鈴音がビビんだろ?」
平助はプイッとそっぽを向いてしまった。
新八は深い溜息を吐く。
その溜息に平助がピクッっと反応し、新八を怖ず怖ずと見遣る。
「平助、いつも言ってんだろ? こういう時何てぇんだ?」
「俺、悪くないもん」
ウルウルした目で新八を見る。まるで、怒られた子犬のようだ。
「鈴音ビビらしただろ?」
「そんな子知らないもん……」
「平助」
新八が少し低い声を出すと、平助はビクッと肩を揺らす。
「…ごめん、なさい」
「俺じゃねぇだろ。鈴音に言え」
新八を見ていた平助の視線が私に向けられる。もう泣く寸前のような顔だ。
「…ごめん」
ボソ と言うと俯いてしまった。
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