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一つの襖の前で立ち止まる。
「先に話し通した方が良いよな？」
「…ああ」
「鈴音、ちょっとここで待ってろ。先に土方さんと話してくる」
私が頷くと、新八は平助を見る。
「平助、ここで鈴音に付いててくれねぇか？」
「ええ～、やだよぉ」
至極嫌そうな顔をする平助に軽く傷付いてしまう。
「出来んだろ？ 俺はお前を頼りにしてんだ。頼まれてくれねぇか？」
新八が申し訳なさそうに言うと、平助は顔を輝かせる。
「しょうがないね！ ぱっつぁんがそこまで言うならいいよ！ 任せてよ！！」
胸を張り、誇らしげに答える。
「お前ならそう言ってくれると思ってたよ。ありがとな」
優しい眼差しで平助を見る新八。
「へへへ 俺は頼りになる男だからね！」
私を廊下に降ろすと「二人とも大人しく待ってろよ」と言い、襖の中に声を掛ける。
「土方さん、ちょっといいか？」
少し間を置いて、「入れ」と短い返事がある。
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