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「それはですね……」
どこから説明すれば良いのか分からず、とりあえずこの時代に来た所から話す。
いきなり知らない場所にいて、町の人に声を掛けても逃げられて、困っていた時に二人が声を掛けてくれた事。
それから、話を聞いてくれて、自分が違う時代にいる事に気付いたという事。
知り合いもいるはず無く、行く宛ても無くて困っていると、ここに連れてきてくれた事。
話している内に、平助の顔が私に向いていた。その顔は目に涙を一杯に溜めている。
「そっか、大変な思いをしてたんだね……それなのに俺……ごめんね、ひどい態度とって……」
申し訳なさそうに頭を下げる平助に、私は驚いた。
「信じてくれるんですか?」
「当たり前だよ。それに、ぱっつぁんも信じたんでしょ?」
ニコっと笑う平助。
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