751人が本棚に入れています
本棚に追加
/243ページ
「でも、それで何で抱えられてたの?」
「あぁ、それはこの格好が目立つからって……」
私は立ち上がり、着物の前を少し開いて見せた。
「着物引きずっちゃうから、歩けなくて」
困ったように笑うと、平助も納得したようだ。
「先の時代の人は、皆そんな身形してるの?」
「いろいろな種類の物があるから、決まった服装はないんですよ。男の人は全然違うの着てるし……」
「へぇ~、想像つかないやぁ」
興味深そうにしている平助の横にまた腰を下ろす。
「でも、本当に新兄とイチ兄には感謝してるんです。皆私を避けてたのに、助けてくれて……」
しみじみと言うと、平助は自分が褒められた様に胸を張り、嬉しそうに答える。
「ぱっつぁんなんだから当たり前だよ! 困ってる人はほっとけないんだ! ぱっつぁんは優しくて、強くて、かっこいいんだ!」
目をキラキラさせ、身を乗り出して、話してくれる。
最初のコメントを投稿しよう!