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「でも、それで何で抱えられてたの?」 「あぁ、それはこの格好が目立つからって……」 私は立ち上がり、着物の前を少し開いて見せた。 「着物引きずっちゃうから、歩けなくて」 困ったように笑うと、平助も納得したようだ。 「先の時代の人は、皆そんな身形してるの?」 「いろいろな種類の物があるから、決まった服装はないんですよ。男の人は全然違うの着てるし……」 「へぇ~、想像つかないやぁ」 興味深そうにしている平助の横にまた腰を下ろす。 「でも、本当に新兄とイチ兄には感謝してるんです。皆私を避けてたのに、助けてくれて……」 しみじみと言うと、平助は自分が褒められた様に胸を張り、嬉しそうに答える。 「ぱっつぁんなんだから当たり前だよ! 困ってる人はほっとけないんだ! ぱっつぁんは優しくて、強くて、かっこいいんだ!」 目をキラキラさせ、身を乗り出して、話してくれる。
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