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私がクスクス笑うと、平助はちょっと顔を赤くして「笑わないでよ」と拗ねてしまった。
「ごめんなさい。でも羨ましくて……私には、ここに家族も友達もいないから」
少し寂しそうな顔をした私に気付き、平助は慌てる。
「大丈夫だよ! 今から作ればいいんだから! そうだ! 俺と友達になろうよ!?」
「え?」
いきなりの平助の提案に目をパチクリさせる。
「嫌、かな? ……そうだよね。さっきひどい事言っちゃったし……」
バツが悪そうにする平助に、今度は私が慌てる。
「違うんです、ちょっとビックリしただけだから!」
「じゃあ、友達、なってくれる?」
様子を窺うように顔を覗き込み、怖ず怖ずと聞いてくる。
可愛いっっっ!!
抱き着きたい衝動を抑え「よろしくお願いします」と頭を下げると、ぱぁ~ っと花を咲かせた様に平助の顔が明るくなる。
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