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「有り難う。でも、俺はもうすぐ死ぬかも知れない」
「どういう事ですか?」
匠が身を乗り出して尋ねた。
「思い出したんだ。智の携帯の事。……実は、智の携帯は智の自宅にあったんだ。
充電が切ってあった。けど、俺は電源を入れてあいつの受信メールを見たんだ。
あいつの携帯には奴からのメールの他に俺からのバスジャックについてのメールが消えていた。
俺は奴の仕業だと推測した。奴は智との繋がりを絶とうと思った……と」
松井はため息を一つついてから続けた。
「実際は智の自宅は密室だったけどね。そう考えると知らない間に何かの力でメールが消えていたのかもしれないと思って。
だから、知らないうちに何故かメールが消えてるということは奴に殺されるという予告だ。……きっと。
まだ死にたくないけど、タイムリミットなのかもしれない」
いい終えると松井はまた俯いた。
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