PAST

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「唯~、水樹君迎えに来てるわよ~」 「わかったぁ~。今いく」 高校受験当日。私は朝早くに起きて参考書を眺めていた。水樹は私と幼なじみで隣の家に住んでいたので迎えに来てくれている。 「お待たせ~」 少し眠そうな顔をして、貧乏揺すりをして待っていた水樹に声を掛ける。 「おせぇーよ。バスに遅れるかも知んないじゃん」 「ごめんごめん。5分でバス停に着くから大丈夫だって」 「まぁな。ってか、お前勉強した?」 「あんまり……」 私は、縁起が悪いけれど落ちたら言い訳が出来るように嘘をつく。 その嘘を見抜いたのか見抜いてないのか確かではないが水樹は「俺ガチで勉強したぜ」と言って歩調を速めた。
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