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森の中で暮らす少女は言葉を知らない
森の中で暮らすひとりの少女はコミュニケーションと取り方を知らない
ジメジメとする洞窟で微かな光を感じ朝だと実感する
起きたら始めに苔を食べる
食べ終わる頃には太陽は真上に進み少女が暮らす洞窟に光がなくなる
そこからは耳を澄まして風に揺れる木々の音を聞く
愉しむでもなくただただ耳を澄まして音を拾う
時々何かの足音や鳥の声が聞こえる事もあるが特に少女に変化は見られない
ただただ耳を澄まして
気温が下がり始めると少女は眠りにつく
もう何年も切ってない髪を体に巻いて目を閉じる
自分が何年生きて、またなぜここにいるのか少女は知らないし知る術も知ろうとも思わない
ただ、微かな朝日にうたれ、苔を食べ、音に耳を澄ませる
その生活で満足している
満足というのを分からない少女だがそれでも不満には思わないし分からない
少女は目を閉じる
また明日苔を食べ木々の音を聞くために
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