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「……ロティア。早く君に会いたいよ」
男はプラチナの腰まで伸びる髪の毛をふわりと揺らした
赤いワインは波紋を作る
「ロティア。私が仕組んだお伽噺のお姫様。君は私が創ったシナリオ通りに動いてくれるかい?それとも」
耳を刺激する甘美な声は屋敷近くでなった雷に邪魔される
闇がじわじわと辺りを包む
男は手に持っていたワインをテーブルに置いた
そして妖しく笑う
「君は狂ったシナリオがお好みなんだね。だけどどれだけ狂っても私の手の中。籠の中のお姫様は運命から逃れられない」
長い漆黒のロングコートに記されたプラチナの十字架がやけに目につく
男はふっと笑い窓辺に寄る
そして手を雷に向けて伸ばした
刹那、雷が千切れるように消える
そして雷は跡形もなく消え去った……
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