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「もしかしてアレか?
初恋の人とかになるのか?」
「え……。う、ううん。あり得ない……かな? そんな風に思ったこともないし、どちらかと言うと家族って感じだからね」
「まぁそうだよな。
けど飛鳥はそうでも竜一はそう思ってるかもしれないぞ」
「う~ん。竜一は恋については人一倍鈍感だからなぁ。恋より友情って感じだし」
確かに飛鳥の竜一を見る目は、はっちゃけた兄を持つ妹みたいだ。
そうゆう目ならよく知ってる。
で、話題の本人だが未だに声を上げ続けてる。
「それに……お互いに簡単に恋人とか作れないからね」
「えっ? 何で?」
ポツリと呟かれた言葉に俺がこう聞き返すと、飛鳥は笑顔を浮かべたまま答えた。
「気付かなかった? 私はともかく竜一は有名だと思うけど」
「悪い、俺ものっそい田舎出身」
伝わってくる情報なんて、偏ったってレベルじゃない。生徒会長の家名も兄貴に聞かなければ、東雲のしも知らなかっただろう。
いや、でも確かに言われてみれば焔って聞き覚えがあるような、ないような。
「そうなの? じゃあ教えてあげるね。
竜一の姓の焔は」
「はいはーい!
僕達入りまーす!」
と飛鳥の声を高い声が遮った。
同時に人だかりが二つに割れる。
と、そこをまず胸を張って堂々とした女子。
次に照れながら小走りしている女子。
んでフードでよくわからないやつ。
最後に呆れたような顔をして歩く男子。
……てか八人揃ったな。
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