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「ん? 暁夜じゃねぇか」
俺の隣のやつ目掛けて言う。
つか暁夜って言うのか。
「で……そっちは?」
今度は俺。
「天雷晴輝と言います!」
「……そうか。俺は雨宮和樹。主に戦闘術、魔法学の担当だ。
んでこいつは篝火暁夜。仲良くしてやってくれ」
和樹さんは隣のやつ──暁夜の頭をぽんぽんと叩きながら自己紹介をした。
というか正直やる気を感じないんだが大丈夫か?
「やめろ」
明らかに迷惑がっていた暁夜が和樹さんの手を払う。
だが和樹さんは悪びれた様子もない。
「そろそろ始まるぞ試験」
…………へ?
「あと一分位だな」
うええ!
間に合うよう来たはずなのに! いつの間に!
と暁夜を見てみると、至って平然。
「まぁ俺が送ってやるから感謝しろ」
和樹さんマジありがとう!
「その代わり絶対合格な」
はい! ……というかどうやって闘技場までんな短時間で? まさか転移じゃねぇよな? そう簡単に使えるもんじゃねぇし……。
「んじゃ転移」
俺が驚きを表すより早く、俺達の真下の床に魔方陣が現れる。
そしてそこから光が現れ、思わず目を瞑った。
数秒経って恐る恐る目を開けると、めちゃくちゃ人がいた。
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