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ざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざーざー
雨がよりいっそう強さを増していく
「…寒い」
思わず口に出してしまうほど身体は冷えきっていた
引き返そうとなんどもなんども思ったけど、たぶん無理だろう。なぜならあまりにも無我夢中で歩き過ぎてここがどこだかわからなくなっているからだ
「お母さん…」
「…お母さん」
なんどもいいながら顔中は涙なのか雨なのかわからないくらい濡れていた
「…僕がいい子じゃないからこんなめにあったんだ」
「…なんでもするから許してよ」
なんどもなんども泣き叫ぶ
なんどもなんども泣き叫ぶことしか出来なかった
ピカッ
当たり一面が光ったと思う目の前にある木が燃えていた
ズガーン
一生懸命木から離れようと走った
どれくらい走ったかわからないほどに走った
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