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いつかはその漢字を選んだ意味を聞いてみたいと思いながら、今更肉親の影を追い求めることはわたしにはどうでもよいことだと、結果10数年、頭が放置していた。
しかし今は、ほんの少し後悔している。
唯一、名前の意味を知っていた男の職員は、わたしたちにしていた行為の罪で施設から消えてしまったからだ。
そいつがどこに行ったのか、本来わたしたちに何の意味を持たない。が、わたしだけは一人…どこか喉に刺さったままの魚の骨のような違和感を残してしまった。
それでも時間は、施設の人間が消えたり増えたり…時には度々起こる様々な問題とは無関係に過ぎていく。むしろ、心だとか感情だとか、そんなものは現実の前では無意味で無駄なものでしかない。
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