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「平山さーん」
看護婦さんに呼ばれる。
ついていく2人。
ついたのは俺の病室だった。
部屋に入るなり
「どういうことですか?」
母親が喧嘩腰に言う。
「…どういう…と言いますと?」
看護婦さんが怯える。
「此処、一人部屋ですよね?」
同じ部屋には一人も患者がいない。
母親の剣幕がスゴくなる。
「はい。息子さんのように生命が危ない状態の患者さんは、原則として一人部屋に入ることになってまして…」
弱々しく、看護婦さんが言う。
「…一人部屋って…高いんですよね?」
母親は確かにそう言った。
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