37人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
「…朝から見苦しいもん見せて悪かったな。」
下手に弁解したらますます侮蔑されそうだから、謝っておく。
「はぁ?」
結局、侮蔑されてる俺。
「今、昼なんだけど。」
部屋にある時計を指差す。
長針と短針がぴったんこ。
ガーン…
「そーた。売店行こうよー。お腹空いた。」
早姫が言う。
言われてみれば。
「おう。」
賛同した。
売店。
お昼だけあってか、店員はおばちゃんだ。
「げっ。」
おばちゃんを見るなり早姫は言った。
「どした?」
あのおばちゃんが原因?
「…やだな。あのおばちゃん、見えるんだよね。あたし達が。」
幽霊が見えるってことか。
「最悪。パチれないじゃん…。」
やっぱり。
昨日から薄々感付いていたが
コイツは幽霊なのを良いことに店の品物をかっぱらってたのか。
「はぁー。でも空腹には勝てないよね…。」
早姫は店の中に入った。
最初のコメントを投稿しよう!