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その宣告には不思議と驚かない俺がいた。
頭から大量に血を流して、5分もほったらかしでいてそれで存命出来るわけがない。
その後、医者が
「発見がもう少し早ければ」
だの
「脳は完全に停止してます」
だの言ってたが
母親は呆然としていた。
…あすりのテトリスはゲームオーバーになっていた。
「我々も颯太君の為に出来る限りのことは尽くします。」
医者はそう言ってお辞儀し、去っていった。
…お前に颯太君、と呼ばれる筋合いない。
ちょっとムカ。
そして寝てる俺が手術室から出てくる。
青白いな。
カラカラ…
タイヤの転がる音が廊下に響く。
それを見送ってから母親は、俺が運ばれた方向と逆の方に向かった。
「…お母さん、何処行くの。」
テトリスを終えた妹あすりが尋ねる。
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