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「・・・え?」
3秒ほどの沈黙の末に出た言葉がそれだった。“見学”ではなく“探検”と言ったことに驚いたのだ。
竜は小学生の頃から、初めて訪れた場所では決まって護に「探検しよう」と言ってきていた。
今も変わらず、初めて訪れた場所をまるでロールプレイングゲームのダンジョンのように楽しめる、童心を持っている。
そのような性格だから、幽霊を見たり触ったりできる自分の体質には喜んでいる。
目を見開いている護も、そんな彼だからこそ気が合っている。2人とも人一倍好奇心旺盛だから、ここまで長い付き合いなのだ。
「いいね!どこを探検する?」
「手始めに校舎内からだな!」
竜はニヤッと笑い、2人は生徒たちが向かう階段とは逆の方向へ歩いていく。
「・・・」
その様子をじっと見つめる、1人の少女がいた。
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