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昨日の兄との夕食は、とても楽しかった。
ホームルームが終わるとすぐに学校を出た私は、4時手前に帰ってきた。
いつもなら、まだ学校にいる時間だ。
しかしその時兄はすでに帰ってきており、聞くと早めに切り上げてきたのだという。
それから私たちはスーパーで買い物をし、夕食は二人で作ることとなった。
といっても、食材を選んだのはお兄ちゃんだったから、ほとんどお兄ちゃんがメインとなって料理を作ってくれたのだが。
だから私は、料理をお皿に盛り付けたりと、いわば助手のようなものをした。
そして、そんなこんなで出来上がった料理は、フライドチキン、シチュー、ポテトフライ、ベーコンとほうれん草のソテーなど、全体的に洋風になった。
統一感はあんまりなかったけれど、そのどれもが美味しかった。
二人揃っての食卓も久々とのことで会話も弾み、前よりも少しお兄ちゃんと打ち解けられた気がする。
そして食事が終わったあとは、お兄ちゃんが買ってきたというケーキを一緒に食べた。
どうしたのかと訊ねると、会社帰りにサプライズとして買ってきたのだと、嬉しそうに兄は言った。
そして白い箱の中にはチョコレートとモンブラン、それからタルト、3つのケーキが入っていた。
お兄ちゃんはいつの間に知ったのか、私の好みを把握していた。
そうして、お兄ちゃんはモンブラン、私はタルトとチョコレートケーキを食べた。
久しぶりに食べたケーキは、とても甘くて美味しかった。
夕食でお腹がはっていたが、『別腹』とはよく言ったもの。
自分でも驚くほどケーキはすいすい入っていった。
お兄ちゃんは何だか楽しそうに、終始微笑んでいた。
『悪くない一日になりそう』
そう思った私の勘は、あながち外れていなかった。
そしてとても、楽しい一日だった。
そう、思える。
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