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入った資料室は、少し埃(ホコリ)っぽかった。
部屋の形は長方形。
奥行きがあり、中央には上にいっぱい物が置かれた大きなテーブル。
部屋の両端には、壁にぴったりとくっ付けられた本棚。
井近くまであるその大きな棚には、色々な本が詰め詰めに収められていた。
少し見てみたが、私には難しすぎる本ばかりだ。
そして突き当たりには、少し大きめの窓が取り付けられていた。
カーテンはない。
その為か、どこか全体的に古びた印象を受ける部屋だった。
「けほ…っ」
窓から入り込む風が、埃を舞いあげる。
朝はひんやりと冷気のあった風も、今はとても暖かく、気持ちのよいものとなっている。
しかし誰が開けたのかは分からないが、このままだと部屋の鍵をしめれないと思った私は、糸田先生から頼まれた教材をテーブルの上に積み上げると、窓の側(ソバ)へと寄った。
そして未だ風を送り込んでくる窓のふちに手をかけ閉めようとしたところで、しかし私の手は止まる。
テーブルの陰に、人の足が見えたからだ。
いきなりの登場にびっくりしつつ、恐る恐る見てみると、それは裸足の足にズボンの裾(スソ)がのびている、明らかに男子生徒のものだと分かる足だった。
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