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季美香が彼に惹かれているのは友人内ではもう周知の事実となっている。
季美香自身もそれを否定しなかった。
そのため、季美香の右隣に座る菊池佳代子(きくちかよこ)は、今も愛しの君を熱心に見つめる季美香を横目に見つつ、表情はそのままに内心でにやついている。
季美香が彼のことを意識しはじめたのはひょんなことからだった。
ある日、日直の当番になった時に偶然教師から仕事を頼まれた。
それは、現在は使われていない旧校舎から長机を取ってきて欲しいというものだった。
そこで期せずして学級委員長(男)である彼が手伝ってくれることになり、初めて彼と会話らしい会話をしたのである。
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